Starship Troopers
渋東シネタワーのレイトショーで「Starship Troopers」を見た。期待通りの娯楽作に仕上がっていて随所で笑えます。
まずは原作を忘れましょう。この映画はパニック映画です。従って登場する俳優の知名度やルックスや演技にはさほど意味がありません。主人公を含めた3名が生き残るご都合主義も当然成立しています。このパニック映画を出色なものにしているのは、 CG合成による「バグ」の表現です。圧倒的な数量や速度や残虐さで見るものを絶望させます。パニック映画でこれに匹敵するものはおそらく現在他にないでしょう。
物語では最終的に勝利を得ますが、ちっとも爽快な気持ちになりません。なぜなら、このパニック映画の最中、再三再四テレビプログラムがザッピングされますが (ロボコップ以上の頻度で)、これが効果的に機能しているためです。このテレビプログラムは軍事統制下にある世界におけるものであるため、戦意を鼓舞したり、階層社会を強調するプロパガンダだったり、バーホーベン流のジョークだったりします。つまるところ観客は、このプログラムによって勝利がかりそめのご都合主義的なものであり、勝利したとは言っても体制が変わったわけではない現状を認識するでしょう。他の映画であればこの辺りの主題をもうちょっと掘り下げて社会派っぽく見せるかもしれない。この映画では主題をわざとぞんざいに扱って、観客に強く意識させようとしているんでしょう。だから、最後のテレビプログラムの中に出てくる「勝者」である主人公は何人の同朋を失おうとあくまで「陽気」なのでしょう。