「国民年金の元が取れない?」
「国民年金の元が取れない」ってどういう意味よ。そもそも年金というのは互助制度であって貯蓄ではない。年金で元が取れるかどうかを考えるのは、子供を産んで元が取れるかどうかを考えるのと同じくらいナンセンスだ。貧乏くさい。
だいたい国民年金の国庫負担比率は現在1/3で、つまり1/3は税収で賄われている。ということは、税金を払い、国民年金に加入していない人は、加入者に税金という形でわざわざお裾分けして上げているのである。どう考えてもこちらの方が遥かに元が取れないが…。ちなみに国民年金の国庫負担比率は平成16年度までに1/2に引き上げられることになっている。
ついで言うと、収めた保険料は全額、社会保険料控除の対象、つまり所得税が免除になる。もし保険料を払わず「貯蓄した」としたらその分には当然課税される。「個人年金や生命保険で積み立てた」としたら個人年金保険料控除・生命保険料控除の対象になるが控除額は最高5万+5万にしかならない。また、公的年金収入はかなりの部分が控除対象だが、上記の金融商品から得た果実には控除がない。
要するに運用効率が一定と仮定すれば、国民年金は民間の金融商品の2倍(もしくは1.5倍)のリターンが見込め、かつ税制上は圧倒的に優遇されている。
ちなみに払った保険料に対する受給額の大小で論じても一般的には国民年金は元が取れるように設計されている。正確には8年あれば元が取れる。
一月の保険料は13,300円、一月払うことにより増加する一年あたりの受給額は1,675円(先日微妙に減額されたが)。したがって13300/1675≒8年あれば元が取れる。このdurationは国庫負担率(1/2,現在は1/3)と平均寿命(81歳)を根拠に定められている。平均受給期間16年(=81歳-65歳)あれば、保険料による受給分(1/2)と国庫負担による受給分(1/2)の両方を受け取れるからだ。
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公的年金の危機がしばしば喧伝されているが、それは公的年金のうちの厚生年金や共済年金(や国民年金基金)の問題を述べているものであって国民年金とは話が違う。そもそも「公的年金」と一括りにするのが乱暴なのだが、両者の間には前提としているリスクの度合いがかなり異なる。