「TrackBackはもうなかったことにしてはどうか?」とは?
そんなにセンセーショナルなことを書き逃げしたつもりはなかったのだけど、ちゃんと書いておかないと誤解されると思ったので書いておく。
そうそう、TrackBackはもうなかったことにしてはどうか?
Movable Type 4ベータテスト - Ogawa::Memoranda
5年前にはブログのキーフィーチャーのように語られていたTrackBackだが、end-to-endで特定のプロトコルで通知する仕組みは古臭い。直接的には送信者と受信者しか感知し得ないという意味でちっともWeb 2.0的でないし、単なる通知にしては受信側のリソースを食い過ぎる。一応Movable TypeのTrackBack実装にはエントリーに関連付けられたTrackBackをRSSフィードとして取り出す機能があるが、あまり知られているようでもない。
Web 2.0的な発想からより自然だと思えるのは、URL間のlinkageを提供する外部サービスを実現して、ブログからは適当なAPIを用いてそのlinkage情報を利用するようにする、というモデルである。このモデルが優れているのは、linkage情報の収集やそれに含まれるスパムをフィルタするための負荷が利用者の負担とならないということと、リソース・エフォートが集約できるということである。linkage graphを利用した新しいアプリに利用できるかもしれないし、そのgraph構造自体がスパムの発見に利用できるかもしれない。もちろん、任意のURLが(TrackBackに対応しているいないに関わらず)擬似的にTrackBack-enabledになるという利点も見過ごせない。
実はこうした外部サービス(の類似物)は、すでに存在している。
例えば、はてなブックマークの「このエントリーを含むほかのエントリー」機能は、エントリー間の言及関係に基づいてlinkage情報を生成・表示する。残念なことにこの情報のみを取り出すAPIは用意されていないようだし(あったらゴメン)、言及しているエントリーがブックマークされないとリストされない。
また、Googleなどのブログ検索もエントリー間の言及関係に基づいてlinkage情報を生成・表示することができる。例えば、このブログに言及しているブログはGoogle ブログ検索: link:as-is.net/blogで検索でき、そのフィード(RSS, Atom)URLを一種のWeb APIとして利用できる。Yahoo!ブログ検索でもほぼ同等の機能が提供されている(Yahoo!ブログ検索 - 「http://as-is.net/blog/」の検索結果)。Google AJAX Feed APIと組み合わせれば、フィードはサーバーサイドにキャッシュされ、便利なレンダリングライブラリも利用できるのでとても都合がよい。
ここに挙げたものは、いずれも「エントリー間の言及関係」を機械的に取得するインタフェースとして利用するのにすでに十分であるか、あるいはほんのわずかな拡張だけで十分利用可能なことが分かるだろう。
一方で、TrackBack protocolとそれを利用するレガシークライアントの普及度を考えると、もう少しstraightforwardなやり方もある。つまり、引数に対象URLを取るスタンドアロンなTrackBackサーバと、URLをキーにしてTrackBackフィードをRSSやJSONで返すサーバをペアで提供すればとりあえず事は足りる。ブログ側ではTrackBackフィードを定期的に取得してレンダリングするか、JavaScriptでオンデマンドにレンダリングするかすればよい。誰でもTrackBackフィードを利用できるようにしておけば再利用して新しいアプリも実現できる。なんて2.0!
もちろん欠点もないわけではない。最も重要な点を挙げるなら、サービス側に多大なリソースが必要となるために誰でも簡単にサービスを開始(あるいは維持)できるわけではないことだ。だからこそ競争相手が少ないとも言えるし、だからこそTrackBackフィードに広告リンクを混ぜればビジネスモデルとして成立するとも言える。
実はこのモデルはユーザの負荷を外部サーバにオフロードすることによって利便性を提供しているという点でFeedBurnerと似通っている。誰か立ち上げてGoogleに買われるまで頑張ってみては(嘘)!!
2007-06-12追記:
「Googleのブログ検索ではブログの代表URLに検索結果が集約されてしまう」と書いていたけど、それは誤りだったので本文を訂正(Thanks: はてなブックマーク - Fuktommyが後で読む / 2007年06月12日)。Google AJAX Feed APIへの言及も追加。
はじめてトラックバックをもらった時は,それこそ感激でしたけど,最近はトラックバック受理のメールを見るたびにうんざりします。トラックバックを利用する人の考え方が変わってしまったんでしょうか。ブロガー同士のコミュニケーションというより,「アクセス増やすぞ!」的な使われ方が中心になってしまって,残念に思います。
SPAM 業者が大喜びしますね
どういう理屈で大喜びなのかちゃんと書いてクレイ。簡単なことでしょ?